神戸北野ノスタ 神戸旧北野小学校跡地活用事業

【DEMAND】
本建築物は昭和6 年神戸市営繕課の技手森義弘(当時25 歳)により設計され、工事を清水組が行っている。構造とプランが定型化された時代の建物であり、設計者は主に意匠的な部分を担うことになる。また神戸市は大正9 年に日本で最初のRC 造の小学校(須佐小学校)歴史は古い。その意匠的要素には玄関前ポルティコ、吹き放ち廊下、アーチ、片持ちバルコニーなどが見られる。(*1)北野小学校においてはファーサード頂部にみられる水平線を強調したパラペット、中廊下部分に設けられた連続アーチ、階段手摺壁の意匠などが今も残される。また狭い敷地に人工増に加え欧米文化の影響もあり土足利用の小学校として利用されていた。北野小学校は1996 年閉校後「北野工房のまち」として商業施設利用され、2023 年「北野工房のまち」が閉館。その後の跡地活用となる。設計・施工上特に意を用いた点は、3 点ある。
【CONCEPT】
■① 環境にやさしい空間づくり
できる限り環境に配慮した素材の選択とナチュラリスティク・ガーデンの思想に基づいた植栽選択
■② 地域をつなぐ記憶の空間づくり
90 年ある歴史の中で地元の人にとっては思い出の場所であり、学びの場所でもあった。一方で現在は観光バスの拠点となるため多くの観光客たちも立ち寄る場所でもある。つまりここは「食」と「空間」を通じて様々な人たちが出会う場所である。記憶の要素を残しながら、初めて訪れる人たちに伝えるための工夫を施した。設計上残すものの選択、施工上は残すための選択に注意が必要であった。
■③ 異なる価値観を受け入れ多様性に富む空間づくり
小学校という歴史の中に未来の時間を刻むため、神戸が持つ豊かな自然と文化、国際性や多様性、芸術文化が入り混じる空間を創出する必要がある。特にそれぞれの個性に合わせた7 つのSHOP を違和感なくまとめること、回遊性に配慮した動線計画、様々な時間の過ごし方ができる空間づくりに配慮したことである。
【SHOP】
1F/カフェ NOSTA CAFE
1F/ショコラトリー LE CHOCOLAT DE H
1F/ロースタリー 神戸北野焙煎所
1F/ベーカリー マリアージュ ドゥ ファリーヌ
1F/日本酒ショップ 灘五郷 SAKE VILLAGE
1F/スイーツショップ NOSTA SWEETS
2F/レストラン&バー Kitano Grill & Bar

 

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