對龍山荘庭園|「風流清雅にして其構造に最も心尽くしたるを見る」
「京都・東山の麓—、對龍山荘(たいりゅうさんそう)は明治29年(1896)に薩摩出身の実業家・伊集院兼常によって造営されたことに始まります。その後、彦根出身の呉服商・市田弥一郎が譲り受け、庭園・建物共に大規模な改修が行われましたが、庭園を手掛けたのが近代日本庭園の先駆者と称えられた植治(うえじ)こと七代目小川治兵衛でした。京都・東山の麓—、對龍山荘(たいりゅうさんそう)は明治29年(1896)に薩摩出身の実業家・伊集院兼常によって造営されたことに始まります。その後、彦根出身の呉服商・市田弥一郎が譲り受け、庭園・建物共に大規模な改修が行われましたが、庭園を手掛けたのが近代日本庭園の先駆者と称えられた植治(うえじ)こと七代目小川治兵衛でした。」對龍山荘HPより
現在の所有はニトリホールディングス。
似鳥昭雄会長の熱意により2024年から見学が可能になった。知人に情報をいただき早速見学へ。
当日は雨交じりの晴れとなり2つの気候の中で感じることができた。
1800坪の敷地には庭園に加え建物内(島田藤吉)も全て見学が可能であり、気づけば2時間の滞在となった。
まず建物内から庭園を見渡すと背景の東山と一体となる庭園がどこまでの続く、山の一部であるかのように感じた。
そこには境界はなく、景観を乱す現代的無駄な景色も削られ、ただただ引き込まれる森の静寂と滝の音が響く空間であった。
一方南の庭園では室内とのレベル差が低く設計され、また深い軒と竹の縁側が心地よい中間領域を作り出し、
自然との距離を縮めていた。どこまで自然に近づけるのか、建物の構造的なことも考慮しながら、全く同じ高さではなく
少し小上がり程度の高さは自然との一体感を生み出し遠くの庭眺め、時にすぐそこの池や砂利、
木々に目をやり自然の景色を楽しむことができる。
庭園:国の名勝指定1988年
建物:重要文化材指定2024年